
結論: 続けること自体が、あなたの強さと成長の証です。今日できたことを数えて1年後に笑おう。
4月、新しいスタートを切った「辞めたい」と思った新人看護師さんへ
こんにちは、miuです。4月、新しい環境でスタートをきった新人さん、毎日本当にお疲れさまです。
日々、初めての連続で、帰るころには心も体もクタクタ…そんな日をなんとかこなしているのではないでしょうか。
今日はそんな頑張っている、でも不安で、もう辞めたいなんて思っている新人さんへ、応援メッセージを送りたいと思います。本当は辞めたいわけではないですよね、今が辛いんですよね。
新人看護師・助産師が「辞めたい」と思う瞬間とは?
新人時代、私も辞めたい気持ちと戦っていました。覚えることが多く、メモをとることも追いつかず、業務はどんどん進んでいく。昼食をとるのも、終わらない仕事が気になって早く食べて仕事に戻り、必死で食らいついていく…。1日が終わるとぐったりしながら、できたことも自分で褒めることもできず、できなかったことばかり気になって、反省の言葉を口に出すことが多かったように思います。
一般的に、新人看護師や新人助産師が直面する、「辞めようかな」と思う瞬間を書き出してみました。皆さんうなづけるところはあるでしょうか?
辞めたいと思う瞬間 | 説明 |
---|---|
ミスや注意を受けたとき | 小さなミスでも落ち込んでしまい、「向いていないかも」と感じやすい。 |
業務の多さ・忙しさに圧倒されたとき | やることが多くてついていけないと、自信を失いやすくなる。 |
人間関係がうまくいかないとき | 先輩に聞きづらい雰囲気や、疎外感を感じると精神的に疲れてしまう。 |
夜勤で体力的にきついとき | 慣れない勤務形態や睡眠不足で、心身ともに限界を感じることがある。 |
やりがいを感じられないとき | 「自分がいても意味があるのかな」と虚しさを感じることがある。 |
新人看護師・助産師が「辞めたい」と感じる5つの代表的なタイミングと、その背景をまとめた表です。
こんな時に、私もう辞めたいとか、私向いていないのかもなんて思いますよね。追い込まれた状況から脱したいと思うことはみんなあるものです。
看護師・助産師に向いていないかもと思う記事については他の記事でも紹介しています。今日の記事に通じることが多くあると思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
→看護師・助産師に向いていないと感じた人へ|悩んだら読む記事

私も新人時代、できないな、もう辞めちゃおうかななんて思う日もありました。でも、同期の友人と毎日帰りに「今日も辞めなかったね。えらいね、私たち」って言い合って無理やり笑って「また明日!」って励まし合っていたのを、今でもよく覚えています。みんな通る道なのかもしれませんね。
新人看護師・新人助産師が「頑張りたい」と思う瞬間
では逆に、どんな時に「頑張りたい!」「やっていて良かった!」と思うのでしょうか?
こちらも表を見てみましょう。
頑張りたいと思う瞬間 | 説明 |
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患者さんやご家族に「ありがとう」と言われたとき | 自分の関わりが誰かの力になれたと実感できる。 |
初めてできたことが増えたとき | 小さな成功体験が大きな自信になる。 |
先輩や同僚に褒めてもらえたとき | 認められることで「自分も成長している」と感じられる。 |
同期や仲間と励まし合えたとき | 仲間の存在が支えになり、「一緒に頑張ろう」と思える。 |
患者さんの回復を見届けたとき | 看護・助産の力の大きさを実感し、誇りを感じる。 |
新人看護師・助産師さんが「頑張ってよかった」と感じる瞬間をまとめた表です。
実際の体験を通して得られるやりがいや喜びが、明日への原動力になることを示しています。
こんな「嬉しいとき」は自分の中でやりがいを感じて、やってきて良かった、努力は無駄ではなかった、と思いますね!
2つの表を比べてみて、皆さんはどう感じたでしょうか?忙しい、辛いと感じる毎日の中、実は皆さんこの嬉しい瞬間ありませんでしたか?大変なことが目立って、忘れていたりしませんか?そういえば、と思い出した人もいるかもしれないですね。

私も大変と感じた新人時代は、今振り返ると辛いことばかりではなかったのですよね。それに気づくのは自分に余裕ができてからでした。あの時は、こんなだったよね、よく頑張ったよね!と笑って懐かしい思い出です。
【心の仕組み】つらい経験が嬉しい記憶をかき消してしまう理由
ではなぜ、マイナスなことが目立ってしまうのでしょうか?大変だったことやつらかった記憶ばかりが心に残って、「あんなに嬉しいこともあったはずなのに…」と思ってしまいますよね。
実はそれ、脳の働きによる“当たり前”の反応なのです。しっかりとした根拠があるのですね!
「記憶の自己」は終わりと強烈な場面を重視する
ノーベル賞受賞の心理学者ダニエル・カーネマン博士は、人の中には2つの自分がいると説明しています。
- 経験の自己:実際にその時を体験している自分
- 記憶の自己:その出来事を後から思い出す自分
この「記憶の自己」は、出来事の“終わりや特に印象に残った場面を強く記憶する傾向があります。たとえば、「楽しかった旅行が、最後にトラブルがあって最悪だった…」
脳はネガティブを優先して記憶する
ストレスやトラウマを感じると、脳は危険な体験”を繰り返さないようにと、その記憶を最優先で保存します。これにより、ポジティブな出来事の記憶は目立たなくなったり、忘れられてしまうのです。
出典:Brewin, C. R. (2001). Memory processes in PTSD.→PubMedの論文ページはこちら

マイナスなイメージが記憶に残るのは、「脳の仕組み」であったと聞くと、なんか気が楽になるのは私だけでしょうか?「だって脳の仕組みなんだもん、仕方ないことじゃない?」ってなんだか客観的に自分を見れて、冷静に考えることができるように思います。論点のすり替えにも感じますが、自分を保つためにも時に必要なのかなとも思います。
心のバランスを整えるための工夫
ネガティブな考えが目立ってしまうのには、ちゃんとした理由があったのですね。自分を守ろうとしていた脳の仕組みだったのですね。
では、私たちができること、つらい記憶に引っ張られてしまわないためにはどうしたら良いでしょうか?自分で工夫していく必要がありそうですね。
● ポジティブな記憶を「書き出す」
嬉しかったこと、感謝していることを日記やスマホメモに書く習慣をつけると、ポジティブな記憶が強化されます。できたことを数えるということも大事ですね!
● 「今」に意識を向ける|マインドフルネス
マインドフルネスや深呼吸を取り入れると、つらい過去や未来の不安から少し距離を取ることができます。
*マインドフルネスとは、「今この瞬間の体験に意識を向け、評価や判断をせずに、ありのままに受けとめる心の状態」のことです。簡単に言うと…
- 「今、ここ」に意識を向けること
- 過去や未来への不安ではなく、「今感じていること・見ていること」に気づいている状態
- 判断や反応をいったん保留して、ただ“気づく”ことを大切にします
たとえばこんな場面が「マインドフル」
- コーヒーの香りや温かさを、意識して味わっている
- 「緊張してるな」と自分の状態を認めてあげている
- 看護やケアの現場で「目の前の患者さん」に集中できている
脳の仕組みを変えることができなくても、自分で工夫してコントロールすることはできそうですね!

できたことを数えて、今に意識すること。なんだか人生においてとても大切なことのように感じます。新人時代だけでなく、ずっと使える考え方ですよね。このやり方だできれば、ずっとポジティブになれそうな気がします。自分で自分を認めることは、とても大切なことですね。
1年後「成長した自分」に会いましょう!
さて、想像してみましょう。
皆さんは心の仕組みも理解して、自分で自分を認めて、なんとか気持ちを整えながら、1年が経ちました。毎日の中で、目の前のことを一つずつ、なんとか乗り越えることをしてきました。そして1年後、新たな新人さんが入職してきますね。その時、新人さんをみてどう感じるでしょうか?
1年前の自分を重ね、実感をするでしょう。自分が成長していること、1年前の自分ではないことをしっかりと実感するはずです。
日々の課題をクリアした、その積み重ねが自分の成長に繋がっていると、うまくいかなかった日も、いいことがあった日も、全てプラスに働いていると。そしてできなかったことよりも、できたことを数えること。ふと「あれ?少しだけ、できることが増えてるかも」って思えるでしょう。
今は目の前ことをこなすことが精一杯になるかもしれませんが、それがのちにつながることをイメージして前に進めるといいですね。大丈夫です、前に進んでいますよ!

成長って、急に目に見えるものじゃなくて、コツコツの積み重ねでやってくるんですね。なかなか見えないものですが、特に、後輩ができた時に自分ができていることに実感するでしょう。その時にも、私、よくあったなあ、えらい!と自分を褒めてあげてくださいね!
まとめ

では、この記事のまとめです。
- 脳は「つらい記憶」を優先して残そうとする
- 終わりの印象がその出来事の記憶を左右する
- 嬉しい記憶は意識して残さないと薄れてしまう
- 書き出し・マインドフルネス・相談が効果的
今日の記事はいかがでしたか?「辞めたい」と思う気持ちは、どうなりましたでしょうか?
今日辞めなかったあなたは、それだけですごいです。だって、今日を乗り越えられましたものね!新人の時期はこれの繰り返しです。まずはできたことを数えて、自分で自分を認めてあげてくださいね。
明日もまた、あなたらしく歩いていけますように!応援しています!

miu|助産師・2児の母・ブログ運営中
20年以上、病院で助産師として勤務。新人時代の不安や戸惑い、子育てと仕事の両立に悩みながらも、周りに支えられてここまできました。
このブログでは、助産師学生・看護学生、そして働くママたちが「今日もがんばったね」「ちゃんとやってるよ」と、自分を優しく認められるような言葉を届けています。
あなたがちょっとだけ元気になれる、そんな場所になりますように。