
結論 :「自分らしく」「ご機嫌で」いられる工夫をしていけば、自然とあなたの周りには、あたたかい空気が広がります。
はじめに
こんにちは、miuです。
皆さんは仕事をする中で、「ちょっと苦手だな…」と感じるスタッフはいませんか?
ただ合わないなと感じる方や、人によっては報告をしただけで強く返されたり、人格否定のような言葉をかけられたり、みんなの前で叱責されたり、自分を攻撃してくる人もいるかもしれません。
そんなときは、患者さんの看護どころではなく、自分自身が辛くなってしまいますよね。「自分はダメなんだ…」と、自信を失ってしまう方もいるかもしれません。
そんな時は、自分の心の守り方がとても大切になります。今日は、みなさんが「合わないスタッフ」に出会ったときに自分を守るヒント、ご機嫌に保つ方法についてお伝えします。
離職の背景:新卒の3人に1人が人間関係で辞めている
ではまず、新卒の看護師が辞めてしまっている理由と割合について見てみましょう。新卒看護師が辞める主な理由を、日本看護協会 病院看護実態調査報告をもとに表を作成しました。下記の表を参照してください。
新卒看護師の離職理由(2023年度採用者/年度末までに退職した病院管理者の視点*回答数:退職者が1名以上いる病院1021件)
離職理由 | 割合(複数回答可) |
---|---|
健康上の理由(主に精神的疾患) | 52.5% |
看護職員としての適性への不安 | 47.4% |
看護実践能力への不安 | 41.6% |
上司・同僚との人間関係 | 29.8% |
他施設への関心・転職願望 | 21.8% |
※日本看護協会「病院看護実態調査」より。
「健康上の理由(主に精神的疾患)」が最も多く、続いて「適性への不安」「実践力の不安」「人間関係」が上位を占めている。特に「上司・同僚との人間関係」は29.8%と約3人に1人が該当し、離職要因として深刻であることがわかる。
この表の数値より、以下の読み取りができます。
- 「人間関係」の影響:離職理由に挙げられる中で約3割、すなわち 新卒看護師の3人に1人 が「上司・同僚との人間関係」を理由に辞めているという深刻さがわかります。
- 精神的ストレスも深刻:「健康上の理由」52.5%に精神的疾患が含まれ、これは人間関係の悪化とも密接に関係している傾向がわかります。
- 能力不安も見逃せない:実践的な自信のなさ(能力や適性不安)も4割以上を占めており、教育・メンタルサポートの必要性が伺えます。

日本看護協会の調査でも、数多くの看護師が人間関係で悩むことが多いことがよくわかりますね。決して他人事ではなく、身近な問題と言えるでしょう。プライベートであれば距離をとって深刻なダメージは避けられますが、仕事ではどうしても関わらないといけないというストレスも大きく感じられると思います。
「ご機嫌な自分を保つ方法4選!」心の持ちよう
私もかつて、人間的にどうしても合わないと感じる人がいました。見下すような態度で、報告に行けば無視されたり、「私が何をしたというのだろう…」と、理不尽さに苦しみました。
とくに辛かったのは、自分自身よりも、他のスタッフがその人に傷つけられている姿を見聞きしたときでした。その話を聞くたびに、自分の心までズシンと痛み、「こんなことがあっていいのだろうか」と落ち込んだ日もありました。
でも仕事をしているとさまざまな人と出逢いますよね。それは自分ではコントロールできないことです。
私は、そんな状況になった時でも、”自分をご機嫌に保ちたい!””ポジティブに考えたい”と思いました。自分の好きな仕事が嫌いになるのが嫌だったのです。どうせなら、楽しく仕事したいですよね。
そこで私が実践している、心の持ちようをご紹介します。
自分にできることは何かを考え、次のような”ご機嫌な自分を保つ方法”にたどり着きました。
① 相手を変えようとしない(残念ながら変わりません)
タイトルのように、残念ながら人は簡単に変わりません。変わらないので、変えようとすること自体、自分が疲れちゃいます。まずこれを自覚することが大切です。
でも、「私自身の受け止めはどう考えるか」「自分のスタンスはどうか」は選べます。
自分を保つために、相手との線引きを意識することができます!相手を変えようとするより、「自分がどう捉えるか」を見つめ直すことが大切です。
合わない人とは無理に仲良くなろうとしなくてOKです。
業務上必要なやりとりに集中し、「敬意を持って適切な距離をとる」ことが
心の負担を減らしてくれます。必要以上の関わりは持たなくていいのです。

大人ですし、仕事ですし、無視や嫌がらせのような関わりはいけません。必要なことのみ関わり、それ以上でも以下でもなく過ごせばいいのです。自分の心地よい距離感を見つけましょう。
② 他人の言動は「その人の課題」と切り離して考える
例えば高圧的な態度を取る人がいたら、
「それはその人自身のストレスや価値観から来ているんだ」と自分と切り離して考えることで、受けるダメージが減ります。
大きな声を出されたら、「この人、追い詰められているんだな。」と考えたり、嫌味を言われたら「自分に自信がないんだな。」と考えたり。それはその人の問題です。
あなたのせいで相手がそうなっているのではありません。言われた時は嫌な気持ちになりますが、それに悩んでいる時間ももったいないです。自分の時間を嫌なことに費やさなくて済むように、落ち着いて、気持ちを切り替えましょう。

嫌なことは家に帰ってからや、休日の自分の大事なプライベート時間まで引きずることもありますが、そんなことに自分の楽しい時間がとらわれるのはもったいないですよね!時間は人生そのもの!自分ために使ってくださいね!
③ 自分を責めない
相手の理不尽な態度はこちらの責任ではありません。
もちろん愛のある指摘は、ありがたいですよね。でもそれ以上の攻撃は必要のないものです。
決して「自分がいけないんだ…。自分なんて何もできなくて…。」なんて言葉の攻撃を真に受けて、自分を責めたりしないでください。
「私は一生懸命やっている。それでいい」と、心の中で自分を認めてあげるようにしましょう。
それでもモヤモヤしたり、苦しい時は、信頼できる方に思い切ってお話しして、嫌な気持ちを吐き出しちゃいましょう。最近はAIチャットなどに悩みを打ち明ける方も多いようです。人に話せない悩みを吐き出せる環境は大事ですね。
自分の中に溜め込むと、さらに心の中で自分を攻撃して、自分を大切にできなくなると良くないです。悪いものはしっかり出して、自分らしく過ごすことに集中しましょう!

あまりにもきつい時は、専門家の手を借りることも大切です。それは恥ずかしいことではないですよ!メンタルの専門家に相談することはハードルが高く感じることがありますが、自分が自分らしくいることの方が大切です。何よりも守るべきは、自分自身です!
④ どうしても無理な時は、環境を変えるのも一つの選択肢
そして自分の心に正直に。”もう無理だな”と感じた時は、「異動」や「転職」「距離を置く」といった選択肢も視野に入れるときかもしれません。環境を変えることはとっても大事なことです。無理に自分が辛い場所にいなくて全然いいのです。
心と体を壊す前に、自分を守る決断をしてください。「逃げることは負けじゃない」。命と健康が一番大事です。
自分の心のバロメーターを頼りに、自分の心が楽な環境に身を置きましょう。自分の人生です。自分が元気であれば、どうにだってなります!そしてあなたを大事にしてくれる職場もいくらだってあります!まさに転職時代、転職することも珍しい話ではないですよ!

今の時代は、看護師も助産師も人手不足です。本当にあなたを必要として、あたたかく迎えてくれる職場はたくさんあります。自分が心地よく過ごせる環境に身をおけられるよう、新天地を開拓することもいいですね!すぐにお仕事しないで、少し休んじゃうこともいいかも!人生の休暇も大切です!
🌿心が疲れたあなたへ|看護師・医療者が相談できる安心の窓口
自分の努力では、自分の心が保てない、第三者の手助けが必要なときの相談窓口を紹介します。あなたが少しでも安心して働き続けられるように、信頼できる相談先です。
🟩 日本看護協会「看護職の“こころ”相談」
- 対象者:看護師、准看護師、保健師、助産師などの看護職全般
- 内容:職場のストレス、人間関係、精神的な不調などの相談が可能
- 方法:電話・メール・対面(地域によって異なります)
- URL:看護職の“こころ”相談 | 日本看護協会
🟩 全国ナースセンター(各都道府県)
- 特徴:復職支援やキャリア相談だけでなく、心の悩みにも対応
- 相談方法:電話・来所・メールなど(要予約のところもあります)
- 一覧ページ:全国ナースセンター一覧 ※お住まいの地域のナースセンターを検索できます。
🟩 こころの健康相談統一ダイヤル(厚労省委託事業)
- 電話番号:0570-064-556(ナビダイヤル)
- 内容:こころの不調や悩みに関する相談が可能
- 対応時間:各都道府県によって異なる
- 備考:匿名での相談もOK、精神科医や心理士が対応する場合もあります。
🟩 医療従事者のための「こころのサポート窓口」
- 対象:看護師・医師・技師・事務職など医療関係全般
- 内容:コロナ禍以降に強化された支援制度。現在は常設相談に対応している自治体もあり
- 確認方法:勤務先や自治体の医師会・看護協会のWebサイトをご確認ください。
🟩 勤務先の「産業医・保健室・EAP(従業員支援制度)」
- 内容:精神的な不調や職場の悩みを相談できる仕組み
- 方法:病院や施設の産業医、保健師、心理カウンセラーなどに直接相談
- 確認方法:職場の人事や庶務に「相談窓口はありますか?」と問い合わせてOKです。

相談窓口の担当の方は、幾つもの相談を受けてきた方が対応してくださいます。友人でも職場関係でもなく、家族でもない、第3者だからこそ話せる内容は多くあると思います。溜め込まずに自分らしくいられるために、このような相談先があったなと心に留めておくだけでも安心ですね。
自分を”ご機嫌”にする、私のプチ習慣
いろんな人がいますが、どんな人と働くとしても、自分をご機嫌に保つ意識を持つことで、
心のゆとりが育ちます。具体的に私が意識している習慣、行動を紹介します。
私のやり方なので、一つの参考例としてみていただけると嬉しいです。
自分の「心の境界線」をしっかり守る
相手の言葉や態度に振り回されそうになった時、
「これは私の問題ではなく、その人の中の問題」と線を引く意識をいつも持つことで、
無意識に抱えてしまうストレスから自分を守ります。
「この人は言葉の通じない国の人なのかな?」なんて思って、攻撃を交わしちゃうこともあります。
心の中に“マイバリア”を持つ感覚です。そうすると、心をフラットに過ごすことができて、ご機嫌を保てます。
ちょっと訓練がいる考え方かもしれませんが、私はそう自分で自分を守っています。
たとえば…「あの言い方は冷たいけど、私のやるべきことはできている」「何か言ってるけど、大変なことがあったのかな、大変そうだな」と、ちょっと人ごとにしちゃうのも手です。
自分の軸を確認する習慣を持ち、自分と相手との境界線をしっかりと引きます。自分自身で自分を守り、自己肯定感を保つことで、自分の気持ちをキープすることにつながります。
小さな“ご褒美”や“自分のリラックスできるもの”を毎日の中に組み込む
自分で自分のご機嫌取りをすることも大事かなと思っています。自分に甘くたっていいじゃない!という考えです。
仕事の合間に飲むお気に入りの飲み物、帰り道に聴く音楽、お昼休みに読むコラムやお笑い動画など。“自分がちょっとでも笑顔になれる時間”を毎日の中に取り入れています。
具体的には、お弁当の後に食べるちょこっとお菓子を持っていくこと。水筒には旦那さんが入れてくれたコーヒーを入れて持っていくこと。そのコーヒーとちょこっとお菓子を一口、もぐもぐ幸せ!水筒を飲むたびに、ホッとする感じがして一息リラックスしますね。通勤時には自分の好きなyoutubeを聴きながら、過ごすこと。大好きでいつも聴いちゃいます。
休憩時間には、自分の好きな記事を読んだり、音楽を流したり。そして一瞬ウトウトして、気持ちも心もリフレッシュ!午後も頑張るぞ!と気分転換をします。
「このチョコ食べたら、気持ちをリセットしちゃお!」
…そんな小さな“自分への励まし”が、心身の回復力になります。自分の好きなことは自分しかわからないですよね!大好きな仕事を長く続けられるように、自分でご機嫌取りをして、自分をコントロールすることも大事なことです。

自分らしくいられる工夫は、自分が楽に過ごすために大事なテクニックです。自分で自分が喜ぶやり方を見つけられるといいですね!(でも、おやつは食べ過ぎ注意です!)
③ 「今日も誰かに優しくできた」と自分を認める
苦手な人と関わると、つい気持ちが揺れたり自己否定に向きがちになりますね。
そんな中でも「笑顔で挨拶できた」「患者さんにゆっくり話しかけられた」と、小さな“できた”を自分で認めてあげることが、前向きな心を育ててくれます。
これは自分の心に蓋をして、無理に笑ってという意味ではないですよ。辛い時に笑顔を作ることは少し頑張らないとできないこともあります。
でも、自分が笑顔で話すと、患者さんも笑顔で話してくださいます。そして会話の中で、自然な笑顔にいつの間にかなっていることが多くあります。笑顔の先出し、とっても効果あるなと実感しています。
そんな自分を”よくやったと褒める””ありのままの自分を認めること”が大事です。自分で自分を好きでいたいですよね。
他人の評価じゃなく、自分で自分を褒めること。自分で自分を支えて、認めて、自分らしくご機嫌で!それがご笑顔の土台になります。たとえうまくできなくても、そう思えたことだけでも、褒めるべきことです!
チームで支え合う空気は、自分も育てられる
そして私が大切にしていることは、職場の空気を自分の力でも変えていけるということです。
先輩・後輩に関係なく、「チームメイト」として支え合う空気づくりです。
特に大変な状況の時、ネガティブな言動を繰り返している人と、チームで乗り越えようと励まし合えつような言葉がけをしている人、どっちについていきたいですか?
「大丈夫?私がやっておくよ」「何かあったらまた声かけてね!」そうした一言で、相手の心もふっと軽くなります。スタッフ間でも、前向きな言葉を意識すると、自分も、周りも明るくなれます。
「鏡は先に笑わない」ですよね。自分が先に笑顔を周りに振りまけるように、気持ちも明るく、ご機嫌に過ごせるよう意識します。そしてその空気は、巡り巡って自分のご機嫌にもつながるんですよね。ポジティブな言葉の選び方ひとつが、チームの空気を作っていくと感じています。
それでも時には愚痴を言ってしまうことも大切。ため息一つして、嫌なことを一緒に外に出しちゃいましょう!もうスッキリ!

私は職場の同僚にはとても恵まれています。大先輩から、新人さんまで、意見交換も気兼ねなくさせていただき、とても仲良くしていただいています。そんな大好きな人たちに、ずっと笑って一緒に頑張れるように、さらに良い環境になれるように、これからもポジティブな言葉を大事にしていこうと思っています。
まとめ

さて、今日のまとめです。
”自分をご機嫌に保つ方法”4選
- 相手を変えようとしない(残念ながら変わりません)
- 他人の言動は「その人の課題」と切り離して考える
- 「今日も誰かに優しくできた」と自分を認める
- どうしても無理な時は、環境を変えるのも一つの選択肢
いかがだったでしょうか。少しでも参考になれる部分があるといいなと思います。
自分が幸せでいることは、心が安定して、仕事にもしっかりのぞむことができます。そしてよりよいケアにもつながります。
自分が幸せであることが大切な理由は過去の記事でも紹介しています。ぜひそちらも参考にしてくださいね。→まず自分を幸せにすることが、誰かを支える力になる理由
ご機嫌な自分は、誰かの安心を作っています。もし、心無い言葉を言われても自分を責めないでくださいね。
その笑顔が、患者さんの安心にもつながっていますよ。大丈夫、あなたは一人ではありません!

miu|助産師・2児の母・ブログ運営中
20年以上、病院で助産師として勤務。新人時代の不安や戸惑い、子育てと仕事の両立に悩みながらも、周りに支えられてここまできました。
このブログでは、助産師学生・看護学生、そして働くママたちが「今日もがんばったね」「ちゃんとやってるよ」と、自分を優しく認められるような言葉を届けています。
あなたがちょっとだけ元気になれる、そんな場所になりますように。