まず自分を幸せにすることが、誰かを支える力になる理由

自分の幸せが誰かを守る力になる」というメッセージと、看護学生・新人さんに向けた応援イラスト(女性キャラクターと犬)を含む優しい雰囲気のタイトル画像
黄色のストライプと花柄を背景にしたメッセージ画像。「この記事の伝えたいこと」の吹き出しの下に、「誰かを支えるためには、まずは自分自身の心と身体を満たすことが大切」というメッセージが中央に書かれている。

結論:自分が苦しくて、誰かを支えるのはとても難しいこと。まずは自分自身の心と身体を満たすことが大切。


はじめに

こんにちは、miuです。突然ですが、みなさん、「幸せですか?」

私が助産師学生だった頃、尊敬してやまないベテランの先生が、授業のはじめにいつもこう語りかけてくださいました。

「みなさんこんにちは。みなさん、幸せですか?」

その先生は私の一番尊敬する方で、満面の笑みで、心からの温かさを込めて問いかけてくださいました。授業だけでなく、説明会でも、卒業後の同窓会でも、いつも変わらず、あの言葉を届けてくださりました。

今日はこの言葉の意味と、私たち医療職、誰かをサポートする側が満たされている必要があることについてお話しさせていただきます。

看護や助産は「人を支える」仕事

私たちの仕事は、ただ医療行為をするだけではありませんね。
患者さんやご家族が直面する「命」「身体」「心」の問題に、共に向き合い、寄り添い、支えるという役割があります。

病気や障がい、出産などの大きな出来事の中で、人は時に怒り、悲しみ、不安を感じます。
看護師や助産師として、そうした状況に向き合うとき、自分自身の心も患者さんと共に揺さぶられます。どんなに経験を積んでも、つらいことはつらい。悲しいことは悲しい。サポートする私たちも、同じように人間です。ときには感情を引きずり、心が疲れてしまうこともあるでしょう。

では、そんなとき、私たちはどう在ればいいのでしょうか。
答えはひとつではありませんが、私が大切にしていることがあります

「自分が幸せであること」

患者さんをサポートする側が、まず「幸せ」であることはとても大切で、原点であると思います。自分が苦しくて、ボロボロの状態で、誰かを支えるのはとても難しいことです。そもそも誰かを支えることができるような状態ではありません。まずは自分自身の心と身体を満たすこと。安心感、喜び、愛情を、自分自身が感じること。これが大元の状態と言えるでしょう。

そしてそれを、他者へとそっと手渡していく…。それが看護となり助産となり、それぞれのサポートとなるのです。患者さんやご家族のために、まずは自分が満たされた状況を作ることが重要です。みなさんは、いつだって”幸せ”でいなくてはならないということです。

miu
miu

私の恩師のたった一言。「みなさん、幸せですか?」。この言葉は、学生時代、新人、母親になってから、現在、とそれぞれの時期全てにおいて当てはまり、胸に染みて、とても嬉しいものでした。「大丈夫よ」「そのままでいいのよ」と、優しく包み込んでくれるような安心感がありました。私は今まで「自分が幸せであること」なんて考えたこともありませんでしたが、今では、本当にその通りだなと実感しています。まずは自分が満たされること、これからもずっと意識していきたいと思います。

緊張と不安の中で働く新人さんたちへ

新人看護師さん、新人助産師さんは、毎日緊張の連続だと思います。覚えることは多く、失敗は怖い、責任は重い。辞めたいと思う日もあるでしょう。

仕事を辞めたいと思った時に読む記事は他の記事でも紹介しています。ぜひそちらも参考にしてみてください。→新人看護師・助産師さんへ|辞めたい気持ちに寄り添うエール

それでも毎日、必死に前を向いて、1日1日を頑張っていますね。

そんなあなたに、「今、幸せですか?」とお聞きしたいです。

私は今までにも新人さんや後輩スタッフたちへ、この言葉を贈ることがあります。すると、それまで張りつめていた表情がふっと緩み、涙を流す方もいます。「自分が幸せかどうか」なんて、問いかけたこともなかった、でも、その問いかけが、心の奥にしまっていた感情や、自分自身の存在の大切さに気づかせてくれたと。それまでの緊張の糸が解けて、迷いも解放されたようでした。

miu
miu

この言葉の意味はとても大きくて、「自分らしくいられる」大事な考え方なのだなと、実感しています。以前、新人さんに、「私たちの仕事は”自分が幸せでいなければできない仕事”」ということを伝えました。それを聞いた新人さんは、キョトンとした顔をして、「今までそんなふうに言ってくれた人はいなかった。」と感動されていたシーンを思い出します。みんな自分よりも他者を思って行動している証拠ですね。これからは、ぜひ、まずは自分が幸せでいてくださいね。

自分の幸福が周囲に与えるプラス効果

野村総研の報告では、このようなことがレポートされています。

  • 個人の幸福感だけでなく、「ポジティブな空気感=周囲の幸せの空気」が日本全体の幸福度向上に寄与していると指摘されている。
  • 個人が幸せを感じると、その感情が職場や家庭の雰囲気を明るくし、周囲の幸福度も高める効果がある。
  • 自分が心に余裕があると、他者への気遣いが自然にでき、自分を大切にする(自己受容)ことが、対人関係の質を高め、他者との協調にもつながる。
  • 結果として、自己肯定感や幸福感もさらに高まる。

出典:野村総研「日本人の幸福なライフスタイル」PDFはこちら

自分が幸せであることは、感情の伝染を通じて職場・家庭・コミュニティの雰囲気にも良い影響を与えるということがわかる文献ですね。
あなたが幸せであるということは、周りにもとても良い、大きな影響を与えていることがわかります。そして、最終的に自分の自己肯定感が高まり、幸せでいられるということになります。

miu
miu

「幸せ」って伝染するんですね!素晴らしいことです。あなたが幸せでいるだけで、多くの人を良い方向へ導けるなんて、すごいことです。みなさん、ますます幸せになっちゃいましょう!あなたの幸せ力で、世界が幸せになる日も近いかも?ぜひ、幸せの伝染、広げてくださいね!

まとめ

黄色のストライプと花柄を背景にした応援メッセージ画像。「大丈夫!」「できる!」「自分らしく!」の吹き出しの下に、「自分の幸せが、誰かの幸せにつながる。あなたの幸せ、あなたの笑顔は、必ず誰かの支えになります」というメッセージが中央に書かれている。

さて、今日のまとめです。今日の記事はいかがだったでしょうか?

幸せに関する記事は、今までにあまり見なかったのではないでしょうか?看護師や助産師は、患者さんとそのご家族が「その人なりの幸せ」を選択できるようにサポートする仕事です。だからこそ、私たち自身がまず、自分の幸せに気づいていることがとても大切です。

あなたの幸せは、あなたの笑顔は、必ず誰かの支えになります。
今日一日を振り返って、自分を褒めてあげてくださいね

「みなさん、幸せですか?」
その問いかけが、あなた自身と、あなたの支える誰かの幸せにつながりますように。

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miu

miu|助産師・2児の母・ブログ運営中

20年以上、病院で助産師として勤務。新人時代の不安や戸惑い、子育てと仕事の両立に悩みながらも、周りに支えられてここまできました。

このブログでは、助産師学生・看護学生、そして働くママたちが「今日もがんばったね」「ちゃんとやってるよ」と、自分を優しく認められるような言葉を届けています。

あなたがちょっとだけ元気になれる、そんな場所になりますように。