
~自分を大切にすることが、
誰かを支える力になります~
「みなさん、幸せですか?」
私が助産師学生だった頃、尊敬してやまないベテランの先生が、授業のはじめにいつもこう語りかけてくださいました。
「みなさんこんにちは。みなさん、幸せですか?」
その先生は、満面の笑みで、心からの温かさを込めて問いかけてくださいました。授業の最初だけでなく、説明会でも、卒業後の同窓会でも、いつも変わらず、あの言葉を届けてくださったのです。
たった一言。でも、その一言が胸に染みて、涙が出るほど嬉しかったことを、今でも鮮明に覚えています。「大丈夫よ」「そのままでいいのよ」と、優しく包み込んでくれるような安心感がありました。
私自身、この言葉をずっと心に刻み、今は後輩のみなさんにもお伝えしています。
**「自分が幸せであること」**の大切さを。
緊張と不安の中で働く新人さんたちへ
新人看護師さん、助産師さんは、毎日緊張の連続だと思います。覚えることは多く、失敗は怖い、責任は重い。それでも毎日、必死に前を向いて、がんばっている。
そんなあなたに、ぜひこの言葉を届けたいです。
「みなさん、幸せですか?」
私は新人さんたちとのカンファレンスの時間や、ちょっとした会話の中で、この言葉を贈ることがあります。すると、それまで張りつめていた表情がふっと緩み、涙を流す方もいます。
「幸せかどうか」なんて、自分に問いかけたこともなかった。でも、その問いかけが、心の奥にしまっていた感情や、自分自身の存在の大切さに気づかせてくれるんです。
看護や助産は「人を支える」仕事
私たちの仕事は、ただ医療行為をするだけではありません。
患者さんやご家族が直面する「命」「身体」「心」の問題に、共に向き合い、寄り添い、支えるという役割があります。
病気や障がい、出産などの大きな出来事の中で、人は時に怒り、悲しみ、不安を感じます。
看護師や助産師として、そうした状況に向き合うとき、自分自身の心も揺さぶられます。
どんなに経験を積んでも、つらいことはつらい。悲しいことは悲しい。
サポートする私たちも、同じように人間です。ときには感情を引きずり、心が疲れてしまうこともあるでしょう。
サポートする側が、まず「幸せ」であること
では、そんなとき、私たちはどう在ればいいのでしょうか。
答えはひとつではありませんが、私が大切にしていることがあります。
「自分が幸せであること」
自分が苦しくて、ボロボロの状態で、誰かを支えるのはとても難しいことです。
だからこそ、まずは自分自身の心と身体を満たすこと。安心感、喜び、愛情を、自分自身が感じること。
そしてそれを、他者へとそっと手渡していくことができるのです。
☑ 自分を大事にするためのヒント
- 1日の終わりに、「今日もよくがんばったね」と自分に声をかける
- 失敗しても、「大丈夫。成長の途中」と受け止める
- 心が疲れたときは、誰かに話す・休む・頼ることを遠慮しない
- 好きなものに触れたり、美味しいものを食べたり、自分にご褒美を
- 「幸せですか?」と、自分に問いかけてみる
まとめ:自分の幸せが、誰かの幸せにつながる
看護師や助産師は、患者様とそのご家族が「その人なりの幸せ」を選択できるようにサポートする仕事です。
だからこそ、私たち自身がまず、自分の幸せに気づいていることがとても大切だと思うのです。
あなたの幸せは、あなたの笑顔は、必ず誰かの支えになります。
今日一日を振り返って、自分を褒めてあげてください。
そして、また明日、あなたらしい一歩を。
「みなさん、幸せですか?」
その問いかけが、あなた自身と、あなたの支える誰かの幸せにつながりますように。
🌸「あなたを応援!助産師の私を褒める時間」では
私は、日々がんばる皆さんに寄り添い、伴走しながら、応援の言葉を届けていきたいと思っています。
一人でも多くの方が、「今日も私は幸せ」と感じられるよう、心から願っています。