
新人であっても、あなたはチームの大切な一員
🌸心の結論: その不安は、あなたが真剣に患者さんと向き合おうとしている証です。
夜勤が始まるこの時期、あなたは確実に前に進んでいます
5月、6月。この時期は、新人看護師・助産師さんにとって大きなステップである「夜勤」が始まる頃ではないでしょうか?
少しずつ日勤の流れに慣れてきたと思ったら、また新しい挑戦がやってくる──そんな気持ちで心が落ち着かない方も多いかもしれません。
でも、まずはここまでよく頑張ってきましたね。
毎日が初めてのことばかりで、心も体もクタクタになりながら、それでも一歩一歩前に進んでこられたこと、本当に素晴らしいです。すでに自分の軌跡できていますよ。
夜勤で不安になるのは、当然のこと
夜勤が始まると、日勤とは違った緊張感がありますよね。
「自分にできるかな」「もし急変があったらどうしよう」
そんな不安な気持ちは、あなたが“患者さんの命を守りたい”という責任の気持ちを持っているからこそ、自然に湧いてくるものです。
責任感が強いあなたが、その場に真剣に向き合おうとしている証拠。
だからこそ、不安を抱える自分も認めてくださいね。
夜勤の現場では、日勤より人数が少なくなる
夜勤は日勤と比べてスタッフの数が少ないため、業務の幅が広がったり、瞬時の判断を求められる場面もあります。
もちろん、最初のうちは先輩が一緒に夜勤に入り、できる限りフォローしてくれる体制が整っているはずです。
ただ、状況によっては先輩も動き回らなければならず、「教えてもらう時間がない」「一人で判断しなければならない場面がある」と感じることもあるでしょう。
でもそれは、“一人前として仲間に加わる”という、成長のステージに立っているということ。
あなたは決してひとりぼっちではありません。”チームとしての一人”ということです。
夜勤前にしておきたい「3つの準備」
① 緊急時の手順や物品の確認
夜勤では、患者様の突然の急変や輸血、緊急処置などの対応がそれぞれの診療科に応じて必要になることがあります。
まずは手順やマニュアルに目を通し、必要物品の名前と保管場所を確認しておきましょう。
そのような緊急の対応はあまりあることではないかもしれませんが、だからと言って知らなくて良いということにはなりません。
久しぶりであっても、「確か、これ、見たことある!あの棚にあったな」と思い出せるだけでも、記憶のフックができ、その結果スムーズに動くことができます。
現場を離れることができない医師や先輩は、物品を持ってきてくれる、それだけでもとてもスムーズに対応できます。チームとして、状況を乗り越えられれば良いのです。
② 自分の生活リズムを整える
そして体調管理ですが、夜勤前はたっぷり寝ておくのが理想です。
…でも、現実は難しいことも多くあります。
出勤前の昼に2~3時間の仮眠を取り、夜勤に備えるのがおすすめです。
体調を整えることができないと、患者さんの対応どころか、注意力が散漫となり、インシデントのきっかけとなりえます。自分の体調管理は、結果的に患者さんのためになるということに繋がります。患者さんのために、自身の体調管理を行いましょう。
そして夜勤明けは、軽い食事と短めの睡眠(3時間ほど)→夜は早く就寝というリズムで体調管理をしましょう。自分のプライベートの充実を図り、リフレッシュすることも、結果的に仕事へのモチベーションにも通じます。そして自分が元気にいられると、患者さんへのケアの質にも繋がります。
自分を大切にすることについては、過去の記事でも似たテーマを扱っています。
→「みなさん、幸せですか?」はこちら。こちらも参考にしてみてください。
仕事の後のコンディションを整えることもとても大切ですね。
③ 先輩の動きやチームの流れを観察する
そして少し余裕が出てきた時は、先輩の動きをみてみましょう。先輩たちは、常に数手先の動きを見越して動いています。
「このあと必要になる物品は?」「医師の指示をどう先読みしている?」「今後の患者さんの状況の予測」「その間の他の患者対応」「ベットコントロール」など。たくさんの予測をして、指示を出している様子を観察するだけでも多くの学びがあります。いづれは自分がその判断をする立場になることも考えて、考えられるといいでしょう。
「チームの一員」としての自覚を持とう
そしてぜひ意識を持ってほしいことが”自分はチームの一員であること”です。
初めてですものね、「私なんて何にもできない…」「足を引っ張ってしまわないかな…」
そう思ってしまう気持ちもわかります。でも、新人であっても、あなたはチームの大切な一員です。
夜勤では、一人でも動けるスタッフが増えることで、先輩たちがどれだけ助けられているか、想像できますか?
物品を素早く持ってきてくれる、伝達を丁寧にしてくれる、それだけでも現場は大きく助けられています。そしてもうすでにその行動はチームの一員です。
あなたが先輩を頼りにしているように、先輩はあなたを本当に頼りにしていますよ。
そして、あなたができることを確実にやろうとしている姿は、しっかりみられており、安心感を与えています。
私の夜勤体験より:緊張と成長と、感謝の記憶
私も夜勤では、リーダーとして助産師として、現場を動かすことが多くあります。
その中で、例えば出産が時間的に重なりそうな時、体はひとつなのに、お母さんたちふたつの命とそのそれぞれの赤ちゃんの命を守る準備をしなければならない。そんな場面に何度も直面してきました。
状況的にはとても切迫しており、バタバタと準備を行う時です。
そんな時、相棒のスタッフが私の考えを先読みして動いてくれた時、どれだけ心強かったか、とても頼りになり、なくてはならない存在でした。
その相棒が新人さんであっても、「あの物品が必要そう」「先に声をかけておこう」と思って動いてくれたら、すっごく嬉しい!とても助かる!ありがとう!と感謝の気持ちいっぱいになります。
それだけでチーム全体の動きも気持ちも大きく変わります。
そして、全ての準備と連携のもと、お母さんと赤ちゃんが無事に元気に出産を終えた瞬間。
そのやりがいと達成感は、何度経験しても感謝しかありません。
「このチームで働けてよかった」そう心から思える時間です。本当にホッとしますよね。
まとめ:不安は力に変わる。あなたの存在が支えになる
夜勤に不安を感じているのは、あなたが「責任を果たしたい」と願っているからです。
あなたはまだ未熟かもしれないですが、チームの一員として支えられ、支えることは、もうすでに始り、すでにできているのです。
「自分のできることをやる」
「必要なときは迷わず相談する」
「自分もチームの一員として、誠実に向き合う」
それだけで十分で、全てです。
決してあなたはひとりじゃありません。必ずチームとして動きます。安心して動いてください。
これからも、あなたらしい一生懸命さと優しさで、患者さんやスタッフと向き合っていってくださいね。
大丈夫、私は、そんなあなたを心から応援しています🌸

miu|助産師・2児の母・ブログ運営中
20年以上、病院で助産師として勤務。新人時代の不安や戸惑い、子育てと仕事の両立に悩みながらも、周りに支えられてここまできました。
このブログでは、助産師学生・看護学生、そして働くママたちが「今日もがんばったね」「ちゃんとやってるよ」と、自分を優しく認められるような言葉を届けています。
あなたがちょっとだけ元気になれる、そんな場所になりますように